豊島区、千川駅近くのわかしま内科のブログです。
日記。昨日木曜の診察を振返って。
木曜日は近隣の内科の診療所の多くが休みなので、初診患者が多い。普段混雑しないわかしま内科も、けっこう忙しい。朝は予約をとって来院されると待ち時間が減らせて安心です。
勤務先の近くの診療所で、2週間のあいだに2回受診して、成因不詳のままの20歳台女性の発熱。
ロキソニンを適当に必要時だけ内服させて解熱させているので、熱が上がったり、下がったり、そのたびに寒気と発汗を繰り返し、辛そう。1回目に見抜くかどうかは難しいけど、2回目の診察のときにスルーしちゃう先生だと少し困ります。ビル診ってのは、いそがしく数見るのでビジネスを成立させているけど、あまり頼れない先生が居るんでしょうかね。
患者の年齢、扁桃腺の腫れが今ひいてきているタイミング、2週間つづく発熱、とくれば、おそらく伝染性単核症で決まりでしょう。今日、朝、もどってきた検査成績でも、異形リンパ球をみとめ、肝障害、LDH高値などをみとめますから、アタリですね、きっと。伝染性単核症は、年に3、4人はあるかな、程度。それほど珍しくないです。
2、3ヶ月に一度、食後に腹痛、嘔吐、をきたす20歳台男性
高校生の頃から、であるから、6、7年続く腹痛であるとのこと。今までに、胃カメラ、腹部エコー、など、ひととおり検査をしても、原因不明とされたとのこと。長く繰り返すことなので、やはり心配、とのことで当院初診。当院を選んでくれてよかったです。
えーっと、胃カメラ、腹部エコーなどを既に行なったという医療機関は、それなりに検査設備があって優秀な医療機関という外見なんでしょうけどね。足りないのはドクターの知恵と経験なのかな。患者さんは腹痛、嘔吐をきたすときには、へその右少し上のあたりがポッコリ腫れるのだと、スマホで撮影した写真を持参された。なるほど、膨らんでいるよね。
最初は、胆のうジスキネジアなんて、はっきり診断した経験もない昔の病名を思い浮かべる。食後に眼にみえて膨らむなんて、あまり「らしくない」かな。。。腹壁ヘルニア?でも、絞扼(こうやく)性のヘルニアでもなければ、痛んだり、嘔吐したり、しないか。。。。患者は痩せているよね。もう6、7年、2、3ヶ月に1度おこすエピソードか。。。。暫定的な診断だけど、ヤセの人にみられる十二指腸の通過障害、上腸間膜動脈症候群。これでいいんじゃないかな。消化器科の勉強してたら、診断できるよね。胃カメラなど検査はできても、勉強不足で患者の症状、病歴から診断できないと困りますね。
胃カメラなど、検査はすぐにするのだけど、それで所見がないと、次に診断に結びつけることができない診療所や病院は頼れませんね。もっとも、そういう医療機関が医療費を費やすし、収益を上げているのです。