豊島区、千川駅近くのわかしま内科のブログです。

教育の現場で子供たちを預かる教職員たち、それらが加入してる組合のお寒い実情に気付いたので、ブログに書いて社会にアピールしたいと思います。 まず、インフルエンザワクチンの接種が学校の生徒たちへのインフルエンザ蔓延を防ぐ為に有効であることを最初から決めつけた立場での以下のブログです。有効かどうかを「反ワクチン接種論者」とのあいだでの議論はする考えはありません。

小中学生、高校生、そのご父兄がワクチン接種代金を自己負担して接種されています。全額を自己負担していますから、その負担は小さくありません。しかし、ワクチン接種の効果はご自身のインフルエンザ発症を抑えるだけではありません。学級閉鎖などにむすびつく学生や生徒全体への公汎な蔓延流行を防ぐ為のコストも負担いただいているわけでして、接種されているご家庭の負担は学校全体の健康を守るという公的なコストを分担していただいているということになります。接種をしない家庭との負担の格差は気になりますが、現状そういうふうにお願いしているわけです。

さて、教職員の場合はどうか、ご存知でしょうか?当然、子供たちと毎日接触するわけですから、教職員もワクチン接種をお願いしたい、たぶん接種しているだろう、というのが常識的な判断ですよね。ところが?? なので、私はブログに書きます。読まれたかたは、PTAなど保護者を含めて学校の安全や健康管理を相談する場である、「学校保険委員会」などで取上げて学校側の対応を確認して欲しい

私のクリニックに来院した教員から、インフルエンザの予防接種が受けづらくなったので、以前は接種をしていたけど、受けていないし受けないつもりだ、との話を聞き、教員が所属する「公立学校共済組合東京支部」のHPなどを閲覧するが、ほとんど何の情報も手に入れられません。解る範囲で書いています。

1)かつては(2年程前まで?)広くインフルエンザの予防接種には助成金が出ていた。特に接種する医療機関にも制限はなかった。

2)現在は、お茶の水で共済組合が経営する三楽病院に行くと、公立学校共済組合の互助会から助成金1500円が支給され、また東京都人材支援事業団の助成金1500円も支給される。実際、三楽病院のHPでは「3000円の費用が実質タダになります!」と宣伝している。しかし、立派な専門医を集めているだろう三楽病院がする必要のある仕事なのであろうか?広告の文言も携帯電話屋に等しい。恥ずかしいぞ、三楽病院。また、東京都の全域の教職員に、お茶の水まで予防接種をうけにはるばる来なさいと勧めることは果たして現実的なのだろうか。そんな時間ありますか?

3)どうも、私が聞かされた範囲では、お茶の水の三楽病院まで行かないと、互助会など複数の助成金の利用ができないか、その額が大幅に減るらしい

4)お茶の水まで行く時間のない教職員にとっては全額自己負担あるいは、それに近くなってしまう。そうなると、ワクチン接種は急に割高で疎遠なものになってしまい、今まで接種していた教職員も「今年はもう接種しません」という判断に至ってしまう。具体的に調査を入れた訳ではないが、教職員のインフルエンザワクチンの接種率は落ちてきているはずである。全額自己負担するとしても、普通に診療所で接種する家庭の親子と同じ負担ということなのだが、それが理解できない、高いと考える教職員も少なからず居るようだ。(あえて公平に検討するなら助成制度改悪後の教職員のワクチン接種率と一般企業で働く大人のワクチン接種率を比較する必要はあるのかもしれない。私が産業医をしている企業の接種率は90%くらい。労働環境の維持、インフルエンザで休む社員が居ない「業務の継続性」を目的として総務部が率先して接種を勧めている。)

5)以上の問題点を教職員の個人個人の意識の問題とするか、公立学校共済組合という組合の助成制度ないしは学校という職場(個人でなく組織)のあり方に問題ありとするか。あるいは、その両方なのか。社会的に問いただす必要があるのではないだろうか。是非、子供を学校に預けている父母を含めて知っていただきたい、「これでいいのか?」と社会に問いたいのでブログに書いた

以上を書いて、一度は筆を置いたのだが。。。。まてよ?

三楽病院は公立学校共済組合の病院。組合の互助会が1500円を出す。そして(都の予算がつぎ込まれている)東京都人材支援事業団が1500円出す。組合の病院(三楽病院)には3000円が入る。組合員には原則三楽病院でワクチン接種をさせる。ワクチン接種の原価としてワクチン代金と注射器代とアルコール綿1枚と、それくらいだと仮定すると?組合の病院は1500円以上、2000円近くの収益をあげる、ということですよ。

組合(互助会)が1500円払って、組合が2000円以上の収益を集める。。。。。。東京都人材支援事業団のお金が共済組合に還流される図式を作ったという話に見えちゃいませんか?三楽病院以外での助成金活用の道を閉ざし接種率を低下させている、それと同時に行なわれているとすれば、かなり恣意的で社会的利益に反するお金の流れの操作に思えます。これでいいの?社会に申し開きできるの?公立学校共済組合さん、マズいよね。セコいのか、組合が貧乏だから仕方ないのか、どっちかなんでしょうか。他所の保険組合、共済組合はそんなことしていないと思うんですけど。

あれこれ書いたが、本来の話に戻って。

学校教職員のインフルエンザ予防接種の接種率を上げてくれって、それが言いたい。
上がる環境を組合は作ってください。