豊島区、千川駅近くのわかしま内科のブログです。

ベルソムラについて。

Suvorexant Safety and Efficacy

というアメリカFDAによるプレゼンテーション形式の資料があります。

日本では、成人用20mg錠、高齢者用15mg錠の2剤型が発売されますが、 この資料では、10mg以上の投与が適切であるか?という疑念をもつ、そういう立場でまとめられています。このことへの明確な考えが、今日私のところを訪問したMSDの営業担当者にはなかったようです。

臨床で使用を開始するにあたっては、他の薬剤との相互作用による副作用増加について留意する必要があります。また服用の翌日については、当初は原則的に自動車の運転は避けていただくこと。服用のコツとして、就寝の30分前、翌朝の起床予定時刻の7時間以上前に内服するようにとの指示が米国ではなされています。

割線のないフィルムコーティングの20mg錠をピルカッターで割って内服するような工夫をしてみたほうがよろしいかも。

今月末に池袋で、「プライマリーケアフォーラム」という名称でベルソムラに関連する講演会を企画しているようですが、MSDとしては同社が販売する肺炎球菌ワクチンの講演と前半、後半にした1回の講演会とするとのこと。私たち開業医のことを「プライマリー」と括って、「2本立て上映」うち1本だけがベルソムラ、もう1本は肺炎球菌ワクチンの講演会を準備するのかとMSDにはガッカリ。営業担当者が帰ってから、なにか残念さがこみあげてきました。

オレキシンを含めた脳内伝達物質について掘り下げた話のできる基礎系の演者や、最新の脳科学、その中の睡眠・覚醒系について興味ある話のできる演者で前半を組む。会社としてお世話になる臨床系のドクターには話してもらうのが業界の慣習というなら後半はそのようにしてくださって構わない。そういう企画にしてもらえれば、アカデミックになったと思います。

私は昭和30年代に育った子供ですが、私には難しい加山雄三の「若大将シリーズ」映画と、モスラやキングギドラが出演する「ゴジラ」映画が「2本立て」で上映されていたんですよね。BSテレビで放映していた若大将シリーズを最近視聴して、「いいよね、子供には多少難しくても、やっぱり若大将をみせておくべきだよね」と感じているプライマリーケアの医者のブログ、でした。若大将の2本立てだったら?連れて行ってもらったかな。。。。