豊島区、千川駅近くのわかしま内科のブログです。

急に始まった神経痛のときは帯状疱疹の可能性がある

原因不明の神経痛。ビリビリとかピリピリとか表現する感覚の痛みですね、神経痛というのは。

この1日、2日前から、急に出てきた神経痛。もう1週間以上とか1ヶ月とか続く神経痛ではなくて、とにかく理由がわからない急な神経痛。場所はさまざま。

肋骨に沿ってからだの右側半周とか、左側半周とかの分布のことが多くて解り易いですが、顔の左右半分だけとか、手足の右だけ、左だけ、とかのことも多いです。(神経の分布が右、左、で別々にわかれているからなのですね。)

原因が判らない、と言って放っておくと、突然に痛みの分布範囲に、水疱(すいほうー細かい水ぶくれになった発疹)が現れてきます。このタイミングですぐに「これが帯状疱疹(ヘルペス)なんだ!」と気付いて、内科、皮膚科などの医者に駆け込んでください。原因のウイルスを抑える薬剤の処方が開始されます。

治療が遅れると、重症化したり、水疱が治ったあとに後遺症のように長引く「帯状疱疹後神経痛」の原因になります。

「帯状疱疹後神経痛」の後遺症に悩まされる患者さんは、かなりつらいらしい。その様子を見たり聞いたりした家族やご友人は、「自分はなりたくないな、帯状疱疹には」と希望されます。自分がなってみないと、身近な人がなってみないと、大変だと気付かない、それが帯状疱疹のようです。

帯状疱疹が多くみられるのは、原因ウイルスに対する免疫力が落ちてくる中高齢者です。長生きすればこそ、の病気と言えます。頻度は少なくなりますが、より若年の患者さまもいらっしゃいます。

帯状疱疹の予防法もあります

ひとたび帯状疱疹を発症してみると、予防方法があるのなら予防しておけばよかった、後からそう考えるのは容易です。でも、帯状疱疹を発病されたご本人は、原因ウイルスに対する免疫力がふたたび上昇するので、短い間隔で再発することはあまりありません。予防したほうがいいのは、帯状疱疹を経験していない人たちです。

実は、水痘(みずぼうそう)のウイルスと、帯状疱疹のウイルスは同じウイルスであることがわかっています。乳児の水痘(みずぼうそう)ワクチンは、その正式な効能は名前どおりに水痘(みずぼうそう)を予防するワクチンですが、大人の帯状疱疹の予防にも有効であるとされています。将来的には、大人に最適な接種量に調整した正式な「帯状疱疹ワクチン」が発売されるのかもしれませんが、現状では水痘(みずぼうそう)ワクチンを流用することが行なわれています。

水痘(みずぼうそう)ワクチンなら、基本的にはどちらの内科医療機関でも、接種可能だと思います。主治医と相談されてみてください。