明日、7月7日火曜日は、担当する企業の産業医の仕事。

安全衛生会議の資料にもなるし、また社員の安全のために、また不安解消のために、まとめを作ろうと思う。以下のオピニオンは、7月3日に行われた研究者児玉龍彦氏(東大先端科学技術研究センター)の講演内容に即しています。

 

1)精密なPCRと抗体検査をもちいた検討から、2020年5月末までの期間で、約0.7%から1%の頻度で東京都民に新型コロナが感染したものと計算できる。全員が悲惨な病状を起こしたわけではなかった。また、都民の約99%はまだ未感染であるのが事実らしい。PCRも、抗体検査も、他のどの検査も、一つですべてを知ることはできない不完全な検査です。頼りすぎは禁物。従来自費検査などで流布されてきた使い古された抗体検査は誤りの陽性判定が多すぎた欠陥商品でした。それを知らせないで売る医療機関は、自由な資本主義のもとの「悪」です。

2)過半数の感染者で発熱の症状くらいはみられたようだ。いっぽうで発熱さえしなかった者も少数はいた。味覚や嗅覚の異常はそれぞれ60%くらいの感染者ではあったらしい。だから、軽症者の参考症状にはなり得る。

3)いずれも、かなり早いタイミング、発熱の3日前ころから、他人にウイルスを移す可能性があった。発熱等の症状から数日(一週間以内)後には、移しづらい状況にあったらしい。今後は、無症状の者からの感染の可能性を念頭におくこと。しかしまた、新型コロナで発熱した者も、一週間を超えてアクティブに他人に移すことはそうそうないんだと、復職等を考慮する際に判断したほうがよい。

4)重症化は、若い人ではその頻度は少なかった。どうして若い人では重症化しない?実は理由は複雑で簡単な話じゃない。誰が重症化する?少しずつわかってきているが、ここでははぶきます。

5)移されてしまうことを皆さん心配するだろうが、それなりに多くのウイルスが吸入されることがきっかけの条件ではあるだろう。だから、長時間、ワイワイガヤガヤと向かいあって接触するのは、怖がっておいてよいし、逆に短時間、静々と少人数で過ごすことまで過剰に恐れるのも、効率が悪い思考かもしれない。

6)誰が、感染源になるか?無症状の者も感染源になりうることを考えると、接触監視アプリ(COCOA)の導入は、価値のある対処法だとおもう。COCOAのインストールがなにか問題があるかどうかは、ITエンジニアのみなさんが考えてください。(くだらない冗談ですが、「WITH COCOA」安心アプリも作れば売れないか?!)

7)まだ1年くらいは、この新型コロナの悩みは続く。だから、職場の同僚などにいつか一人か二人の新型コロナがみつかること、それを前提に、適切に対処することが必要です。