豊島区、千川駅近くのわかしま内科のブログです。

ブログには、SGLT2阻害薬あるいはその各薬剤名(スーグラ、フォシーガ、デベルザ等)のワードと「ダイエット」「痩せる」のワード、この2つを検索して訪問されているかたが多いことに気付きます。糖尿病があるかたなのか、肥満があるかたなのか、正常体重のかたなのか、それはわかりません。社会的関心が集まっている事実だけはつかめます。

表題にかかげたのは、現在65歳の男性糖尿病患者です。私の診療所には2002年から受診されています。2005年からカルテに残っている体重の記載は85キロから91キロくらいで経過しています。2002年頃の体重は73キロから76キロでしたからだいぶ増えて経過していたのですね。ウォーキングをしていたこともあったようだし、 わかしま内科では当時は定期的に管理栄養士に来てもらっていたので、栄養指導も行なっています。でも、この9年間ほどの間、継続的に体重を減少管理できたことはなかったのです。

2014年5月でしたか、発売になったSGLT2阻害薬の処方第1号の患者さんです。5月末のスーグラ開始前の体重が88.2キロ。6ヶ月が経過しましたので報告しますと、現在の体重が80.2キロ。8キロ(10%)の体重減少(ダイエット)に至りました。この間、奥様の作ってくださる食事については新たな指導や変更の要請はしていません。ご自身のアイデアで1日9000歩から1万歩歩いているようです。概ね1ヶ月で1キロの体重減少を6ヶ月にわたり今も手に入れられています。糖尿病の管理も改善しました。

SGLT2阻害薬処方以前も体重変動はみられてた、当然1キロ、2キロ、と減少する時期もあったが続かなかった患者さんです。しかしSGLT2阻害薬処方後、6ヶ月にわたって体重減少を続け、マイナス8キロにまで至っていることは、SGLT2阻害薬の処方メリットが明らかな症例であると思います。患者さんが並行して行なっているライフスタイル、食生活、運動などにもコツが隠れていると思いますが、それにも増して「月に1キロのダイエット効果」が従来よりも容易に手にはいること、そのことが大切なのだと思います。患者さん自身が行なう工夫や努力が着実に結果にむすびつく。言ってしまえば「報酬が約束されている」「満足感、達成感がある」状況になるわけです。それなら、体重をフォローする気持ちも長続きします。

体重を毎日観察していったときに努力が報われている感覚。それが大切でしょう。報われるから続くのですよね、報われない努力は誰もしたくない。。。。

ダイエットの興味でブログに来られているかたも参考にしてください。それにしてもSGLT2阻害薬の自費処方を売り物にしている美容内科、美容外科、のHPにはわけわからん「商品」がならんでいますね。そういう「店舗型クリニック」の客になるのは流行語「ダ◯よ〜、ダ◯ダ◯」でしょう、かしこい人ならわかるでしょうけど。