豊島区、千川駅近くのわかしま内科のブログです。
自覚症状がなくても高血圧症は治療しておく必要があります。
高血圧症とみなされる方は約4000万人、日本人全体の1/3、50歳以上の2人に1人は高血圧症であると言われています。
高血圧症が放置できない理由をまず、説明しないといけません。高い血圧は全身の血管、特に脳や心臓の血管に悪影響をきたします。脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などの重大疾患(まとめて心血管イベントと呼びます)を後年に起こす原因になります。糖尿病や脂質異常症など動脈硬化症を起こす病気との重複はさらに危険です。
よく、頭が痛かったので血圧を測ってみたら高かった、などの何かの症状をきっかけに高血圧に気付かれて来院される方がいらっしゃいます。しかし、高血圧症自体はかなり酷くても、あまり自覚症状がないことも当然あります。無症状のままに重大疾患(心血管イベント)を引き起こすに至ることから「高血圧はサイレントキラー(静かな殺し屋)」と言う表現をされます。
親ゆずりの高血圧の方もおられます。ご両親の血圧はどうでしょうか?肥満、運動不足、タバコ、飲酒、ストレスなど、高血圧の悪化にむすびつく生活の要素はありませんか?
血圧が高いときの対策
患者さまの多くは、高血圧を健康診断などで指摘されても、あと1年様子をみようなどと判断されて、診察を受けられません。そのあいだに静かに「殺し屋」は準備を始めています。
まず、運動すること。週3回30分以上とかルールを自分のなかに作ってください。ウォーキング、スイミング、など自分ができること、嫌いでないことを行なってください。働いている人は時間がないでしょうから、朝、夕の通勤のなかに歩くことを取り入れることでかまいません。
食事では、なによりも減塩ですね。塩分の排泄に役立つカリウムを野菜などで摂取するのもよいです。
以上のような生活習慣、食事の改善だけで対策できることと、薬物療法(患者さまにあった降圧薬を選択することが大切です)が必要なケースとがあります。降圧薬はサイレントキラーからあなたを守るのが仕事です。(頻度は少ないのですが)弊害や副作用の出ていないことを確認しながら、内服を続けることが望ましいです。