豊島区、千川駅近くのわかしま内科のブログです。
今日は土曜日、祝日。何をして過ごすと自分のためになるのか、何をしようかなと思案しています。
先日来、マイクロアレイ血液検査を使った癌の早期発見、早期診断、についてブログにアップしています。(「マイクロアレイ血液検査は血液がささやく、確かな癌の目撃証言」)原理とその確実な診断能力について、けっこう惚れ込んで3月に導入したわけですが、少し悩ましいのが、そのコスト。保険が効かない自費検査として、費用は税込み68000円(わかしま内科では医院の利益を度外視しているつもりですが)と、かなりの高額検査と言えます。
似ている、全く同一ではないのですが、採血検体中の遺伝子をもちいた癌の診断について、2014年から2018年までかけて癌センター関連の研究者の仕事、新しい研究が始まっているようです。しかし、その有効性のデータが出て、臨床で実施できるようになるのはさらに先になるでしょう。また、昨今報道された「線虫にヒトの尿の臭いをかがせて行なう癌の診断」の情報も一般の方々に行き渡っているようですが、これもその有効性の証明から実用化までにはまだ年数がかかりそう。
さて、
誰が癌のマイクロアレイ血液検査の良い実施対象者なのか?
先日のポスト、「胃癌、大腸癌、肺癌、女性固有の癌(婦人科癌、乳癌)、男性固有の癌(前立腺癌)など、かいつまんで」に書いたように、ピロリ検査、便潜血、乳癌検診、子宮癌検診、PSA検査までをマメに実施すれば、癌による死亡をかなりの割合で防ぐ対策になります。でも、そのほとんどを実施する、毎年行なう、となると患者さんによっては身体的、時間的に負担かもしれない。しかも、高齢者の肺癌と、壮年期の消化器癌の一部、膵癌や胆道癌は、上記の対策の範囲外でしかも発見診断後の治療成績、救命率が悪い。
1)少し頻度、順位が下がる、しかし治療成績の悪い消化器癌(膵癌、胆道癌)での死亡を含めて避けたい人
2)胃癌、大腸癌について。ピロリ検査後の胃カメラ、あるいは大腸カメラを毎年受けることが困難な人
3)家族歴などの理由から、膵癌や胆道癌の発症にも注意を払っておきたい人
4)会社経営者や個人事業主、「この働き盛りでの消化器癌発病で、生活、仕事のプランが一変してしまうのは困る。コストがかかってもそのリスクは最大限おさえたいのです」という人
などが思い浮かびます。年に1回?金額を考えると、ひとまず行なって、その後の生活のなかで「今の自分には3年毎でよいかな。。」とか考えてみるしかないですね。マイクロアレイ血液検査を何年に1回行なえば充分なのかという部分のしっかりした論拠はまだ無いように思います。
医者(医師会)の検診に使ったらいかがでしょう?
最後に、医者の無養生という言葉、それは一般のみなさんが使われますが、それが全員ではないです。患者の健康管理以上に「自分の健康管理」をするドクターが居ないこともないですね(笑)。何が最優先なのか、患者の健康?いやいや私が健康だから、医療継続、患者の健康管理もできるのだよ、というのも正論。
一方で、まさに医者の無養生、突然に倒れて引退をせまられるドクターも居られます。そう言っている自分がそうならないようにしないと、と思って書いています。健康保険制度は医者が「自分の医療機関で保険診療を受けること」を禁じています。自分で自分を保険診療するとお金の費やし方に、フェアでない部分が生じうるからでしょう。それもあって、意外と医者は自分のことを検査する機会がないのです。
ですから、医者が突然に進行癌でたおれることは、けっこうしばしば見られることなのです。医師会員等の医療従事者、まさに働き盛りのドクターの癌チェックにマイクロアレイ血液検査を活用したらどうか。そう思うのですが、医師会の幹部たちの意識を変えるには、まだまだ時間がかかるね。。。そんなことをここでツブヤイておきましょう。
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