豊島区、千川駅近くのわかしま内科のブログです。

ご自身の中性脂肪の値はご存知ですか?

健康診断などでの検査値表で「トリグリセライド(TG)」の値が中性脂肪の値です。食事の影響が大きい検査値ですので、朝の空腹時の採血で150mg/dl を越えると異常高値となります。

中性脂肪(TG)は、生きるために必要なエネルギー源として血液のなかに存在します。しかし、食べ過ぎ、運動不足などで高TG状態になると余ったTGは内蔵脂肪や皮下脂肪として貯まってきます。また、血管の壁にもとりこまれ、動脈硬化症のリスクが高まり、脳梗塞、心筋梗塞などの心血管イベントが起こりやすくなります。高TGの状態には、内臓肥満(いわゆる”メタボ” ですね)や善玉(HDL)コレステロールの不足、超悪玉(small dense-LDL)コレステロールの増加などの危険因子が同時に重なります。ですから、高TGもまた、重要な脂質代謝の異常として認識されています。

中性脂肪を下げるために

生活習慣の改善がまず、第一に提案されることはもちろんです。

食べ過ぎないこと(体重の管理)、有酸素運動、アルコール控えめ、など。また、食生活の工夫では、肉食よりも魚食が勧められています。魚に含まれるEPA、DHA  などの油成分をよく摂取する「日本食」がよいのです。同じ油でも、肉の油が悪玉(LDL)コレステロールを増やすのに対して、魚の油は中性脂肪(TG)を減らす良い油です。

1日1グラム以上のEPA、DHAの摂取が勧奨されていますが、日本人の平均的な摂取量は1日0.4グラムと足りていません。青サカナを毎日食事として摂取するのが、今の日本人には大変なのかもしれません。

中性脂肪を下げる薬剤

中性脂肪を下げる有効な薬物療法は、主に二つ。生活習慣の改善が追いつかない患者さまには積極的な治療も必要です。

フィブラート系と呼ばれる薬剤。比較的副作用の生じずらい安全な薬剤です。1日1回ないし2回内服していただきます。

もうひとつは、EPA、DHAそのものを薬剤にしたものがあります。こちらは、魚食が苦手で育ってきた方には良いのと思います。自然志向の薬剤選択ですね。1日1回、サプリメント気分で内服してください